(一社)那須野ヶ原青年会議所 主催
対話の土台を知る
ちゃんと伝えて、ちゃんと聴く。
〜対話が文化になる組織へ〜
STEP 1
相互尊重コミュニケーション講演会
2026年4月15日(水)
乃木温泉ホテル 1階 さくら

講師:渡辺 佳菜
一般社団法人 相互尊重コミュニケーション協会 代表理事

本日のプログラム

1
Part 1 自己紹介
2
Part 2 価値観の混在
3
Part 3 相互尊重コミュニケーション
4
Part 4 傾聴と共感
5
Part 5 自己表現

今日のゴール

今日持ち帰るのは、たった2つだけ。

1
頷きながら聴く
「うんうん」と頷くだけでOK
2
アイメッセージで伝える
主語を「あなた」から「私」に

この2つを意識するだけで、あなたの周りの対話は変わり始めます。

01

Part 1:自己紹介

まずは隣の方と自己紹介をしましょう。以下の3つを伝えてください。

1
お名前 / 住まい / ご職業(言える範囲でかまいません)
2
自分の好きなところ
3
今日の講演会が終わる頃、どんな自分になっていたら最高か
02

Part 2:価値観の混在

あなたの「当たり前」は隣の人の「まさか」

場面自分にとって当然相手にとっては驚き
家庭食事中はテレビを消す食事中もテレビをつける
職場報告は顔を見て口頭で報告はチャットで十分
地域回覧板は翌日に回す回覧板は週末まとめて
ポイント

どちらも「間違い」ではない。ただ、「違う」だけ。

「主張」から「交換」へ

これまで:正しさの主張

「自分が正しい」
「相手が間違っている」

これから:価値観の交換

「あなたはそう考えるんですね」
「私はこう思っています」

対立ではなく、違いを「知り合う」ことから始まる

03

違いは対立ではなく「人生の選択肢を増やすきっかけ」

ポイント

人は、自分の価値観の中でしか世界を見ていない。

同じタイプの人とばかり話していると、安心はあっても"広がり"は起きない。

価値観や当たり前が違う人と話すと——

「え、それアリなんだ」「そんな見方があるの?」

"認知のズレ"が起きる。

04

Part 3:相互尊重コミュニケーションとは

定義
自分も相手も大切にしながら、
互いの気持ちや考えを伝え合い
「自分らしさ」を認め活かし合う
コミュニケーション技法

一方的に伝えるのではなく、お互いの気持ちを「交換」する対話


4つの原則

① 傾聴と共感
相手の心に寄り添う
② 自己表現
自分の想いを率直に伝える
③ 境界線
自分と相手を尊重する距離感
④ 問い
お互いが成長し合える対話

今日は ①傾聴と共感 ②自己表現 を体験します。

05

Part 4:傾聴と共感

人は「理解された」と感じて初めて心を開く

人は本能的に、「この人は安全か?」を常に判断しています。
そのとき一番強く安心を生むのが
"ちゃんと聴いてもらえた"という感覚です。

話を遮られる。すぐアドバイスされる。否定される。
こうなると脳は防御モードに入り、本音を閉じる。
つまり、聴かない限り、相手の本当の言葉は出てこないんです。


「聞く」と「聴く」の違い

聞く = 音が耳に入ること(テレビの音が聞こえる)
聴く = 心を向けて、相手を受け止めること
「聴」の漢字には「耳」と「目」と「心」が入っています。
耳だけでなく、目で相手を見て、心で感じながら聴く。これが「傾聴」です。


共感と同感の違い

共感 = 「あなたはそう感じてるんだね」(相手の気持ちを理解する)
同感 = 「わかる~!私も!」(自分も同じ気持ちになる)

共感は、相手の気持ちをわかろうとすること。
同じ意見でなくてもいいのです。

06

傾聴の力

問題の8割は「解決」ではなく「理解」で終わる

多くの人は「正しいことを言えば伝わる」と思っていますが、実際は逆です。

人は"正しさ"では動かない
"感情が理解されたか"で動く

だから、アドバイスよりも先に必要なのは
「それはそう感じるよね」という受容。
これだけで、相手の中で問題が自然と整理されることも多い。


聴くことで「ズレ」を防ぐ

人は同じ言葉でも、全く違う意味で使っています。

例えば「大丈夫」→ 本当に大丈夫な人 / 我慢している人 / 助けてほしい人
全部違う。聴かずに話すと、"想像の相手"と会話することになる。
でも聴くと、"本当の相手"と会話できる。


聴ける人が主導権を持つ

つまり、聴くことは受け身ではなく
最も高度なリーダーシップです。

07
ワーク① :頷きながら聴く

準備

隣の方と3人1組になってください。
話し手、聴き手1、聴き手2を決めましょう。

話すテーマ:「最近嬉しかったこと」

話し手

「最近嬉しかったこと」を1分間話す

聴き手1

頷きながら聴く(相づちOK)

聴き手2

何の反応もしないで聴いてください

役割を入れ替えてもう1回

08

ワーク① ふりかえり

話し手に質問です。

頷いてもらえるだけで
安心して話せる

何を伝えてくれたかよりも「聴いてもらえている」という実感が、
相手の心を開く最初の鍵になります。

09

Part 5:自己表現

伝えるスキルより話せる安心感

スキル(技術)安心感(関係性)
話し方のテクニック聴く姿勢
論理的な構成感謝の言葉
プレゼン技法否定や批判のない場
ポイント

安心感があれば、伝え合う雰囲気は自然に育つ


言わなくても伝わる。でも、言わないとズレる。

英語は「誰が・どう感じたか(Iメッセージ)」を明確にしないと意味が成立しにくい言語。
日本語は、主語や感情をはっきり言わなくても「文脈・関係性・場の空気」で意味が通じる構造。

「ちょっと難しいですね」→ 実は「NO」

「考えておきます」→ 実は「やらない」

「タイミングが合えば」→ 実は「合わせる気はない」

10

主語を「あなた」から「私」に変える

NG「あなたは違う」

なぜわかってくれないのか

OK「私は〇〇と感じています」

わかり合おうとする姿勢

アイ(I)メッセージ

主語を「あなた」から「私」に変えるだけで
対話の質が大きく変わります。

相手と自分の意見に違いがあったとき、どのように伝えていますか?

11
ワーク② :アイ(I)メッセージで伝える

準備

同じ3人1組で行います。
話し手、聴き手1、聴き手2を決めましょう。

話すテーマ:「日本の課題」

話し手

「日本の課題」を1分間話す

聴き手1

相手の意見を否定せず、「私は~だと思う」と別の課題をあげてください

聴き手2

それは違うと思う、と意見を否定して別の課題をあげてください

役割を入れ替えてもう1回

12

ワーク② ふりかえり

話し手に質問です。

アイ(I)メッセージになることで
どのように感じましたか?
13

まとめ:今日からできる2つのこと

1
頷きながら聴く
相手に「聴いてもらえている」安心感を与える
2
アイメッセージで伝える
主語を「私」に変えるだけで対話の質が変わる
「知っている」と「やっている」の間には、
ものすごく大きな溝がある。

今日、体で感じたこの感覚を、
明日、一つでいいから試してみてください。


答えを出す管理者から
本音を引き出し
共に高め合うリーダーへ

聴くこと、誠実に伝えること、笑顔でいること。
小さな一歩が、大きな変化を生みます。

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最後に

私は、コミュニケーションの問題は「人」のせいじゃないと思っています。

教わる機会がなかっただけ。練習する場がなかっただけ。

だから——

「あの人はコミュニケーションが下手だ」と責めるのではなく、
「コミュニケーションしやすい場を一緒に作ろう」

今日ここにいる皆さん一人ひとりが、
職場や家庭で「頷く人」「アイメッセージで伝える人」になってくれたら。

それだけで、皆さんの周りの「土壌」は、確実に変わり始めます。

ありがとうございました。

15

ふりかえりメモ

日付:2026年 4月 15日

今日のワークで一番印象に残ったことは?

2つのアクションのうち、明日まず試してみたいのは?

誰に対して試してみますか?

今日の感想・気づいたこと(自由記述)

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